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smock vo/g のつれづれブログ 


by cst6480088
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「peer pressure」no,254

ピア・プレッシャー(peer pressure)
「仲間からの圧力」を意味する。「仲間が残業をしているのに、自分だけ帰ることはできない」「自分の仕事をきちんとやらないと、仲間に迷惑をかけてしまう」といった考え方を自然にもつようになること。日本のビジネスマンの大半が、こうした感情を抱くことがあるという。就職して職場に配属されるとベテランが新人に対して仕事のノウハウを教え、社員が助け合って仕事をする。高い成果を挙げて達成感をみんなで分かち合う。このシステムは一面で家族主義的な居心地のよさを作り上げるが、互いが監視し合うという「水平管理」を生んで、働きすぎとなったり、ストレスの温床になるという指摘もある。これらは家族主義的な日本的経営の特徴とよくいわれるが、1980年代後半から始まった日本的経営の海外移転により、欧米でも同じような現象が起きているという。三重短期大学、大阪経済法科大学非常勤講師の大野正和が、著書『まなざしに管理される職場』(青弓社)で指摘している。 (Yahoo!辞書 新語探検より)

このブログを読んでいる人にも、いわゆるサラリーマン、給料をもらって生計を立てている人が多いと思う。
そのような人たちは、上に書いてあるようなことに、程度の差はあれ、心当たりがあるでしょう?
・・・ない?・・・ないならそれはある意味とても幸せなことですよ。
あ~そうですよ。



今日、通勤途中に久しぶりにFMを聴いていたら、どうも上記の大野正和さんらしき人が、しゃべっていて、仕事柄とってもその内容が気になってね、早速ネットで調べてみた。

「ビア」か「ピア」かよく聞き取れなくてね、「peer」なんだねぇ。

僕は仕事柄、自分の組織の労働条件を改善していくことが仕事なんだが、この「仲間が残業をしているのに、自分だけ帰ることはできない」「自分の仕事をきちんとやらないと、仲間に迷惑をかけてしまう」という声はよく聞くんだ。
非常に良く聞くんだ。

みんな偉いよね。その考え自体、僕は一方的に否定しようとは思わない。
でも、それが、サービス残業の温床となったり、有休(年休)取得することの阻害要因の一つになっていることは、紛れもない事実だと思う。

そして、上記の説明では、就職して職場に配属されるとベテランが新人に対して仕事のノウハウを教え、~互いが監視し合うという「水平管理」を生んで、働きすぎとなったり、ストレスの温床になるという指摘もある。・・・という一面も確かにあると思うが、実際に労働現場の実態を見れば、それだけではない、もっと複雑な労働者の心情や、その置かれている環境が見えてくる。
事態は非常に複雑であるといえる。

成果主義が進む職場では、成果を追い求めるあまり、ノルマ主義が進み、労働時間と給与が切り離される状態が生まれてくる。
経済学、それもマルクス主義(・・・僕はぜんぜん詳しくないけど・・・)を学んだ人ならわかるかも知れないけど、「労働」と「労働力」は別物である。労働者は「労働の成果」を売って給与を得ているのではなく、「労働力」を売って給与を得ているんだな。もっと言えば自分の時間を、経営者に与えてるだけなんだな。
成果を売ってるわけではないんだ

・・・単純な例で言えば、アルバイトやパートは時給だろ?コンビニのバイト君は、レジに立ってレジを打ったり、商品の品出し、陳列等が主な仕事であって、売上高で給与が左右されているわけではない。・・・でしょ?・・・労働者は自分の時間を売って、労働力を提供しているだけなんだ
でも、正規職員として、特に流通関係や何かモノを売って回るセールスマンの人なら、「何言ってんだ?バカじゃねぇのか?」・・・って思うかもね。
だって彼等は成果(ノルマ)に追いまくられているからねぇ。

「今日中に契約とってくるまでは、帰ってくるな!」・・・なんてセリフが今日も日本中のあちこちで言われていると思うよ。そういう職場ではサービス残業も横行するだろうねぇ。・・・だって、労働時間が長くなれば、それだけ残業代は増える→給与が増える。でも、さっさとノルマを達成しちゃった人は、労働時間が短い→給与は少ない。・・・・不満は出るよね。・・・・成果主義が行過ぎればそうなるんだよな。

でも、繰り返し言うけど、労働者は労働時間を売っているわけであり、法律上は成果主義で賃金を払うように基本的にはなっていない。・・・だから、1日8時間以上労働した場合は25%の割増賃金を払わなければいけないし、労基法上は雇用者(使用者)が労働者を1日8時間以上労働させるには、労基法に基づいて、俗に言う「36協定」を結ばなければならない。

でも、成果主義が進む今の世の中では、それを変えようという動きが経団連などの経営者団体を中心に活発になってきている。それが昨今の労働法制の改悪の動きに直接関係してくるんだな(例:ホワイトカラー・エグゼンプション

でもね、ここではこういうことも言えるんだよ?労働者は労働力を提供しているとすれば、それを使うのは使用者側、経営者だよね?労働力を使い、どう成果をあげるかは、ある意味使用者側に責任があるんだよ。
・・・・わかりやすく言えば、ここに1本の包丁がある。コレ自体は単なる包丁だよね?でも、素人とプロがこの包丁でお肉なり、魚なりを切ったとする。・・・その出来栄えは違うでしょ?包丁自体は同じなんだよ?・・・・それの使い方で出来上がったものに差が出てくるんだ。そして、切れない包丁なら切れるように砥いでいくのも、使う側の人なんだよね。
・・・・ちょっと、例えが悪いかもしれないねぇ・・・。労働者は「人」であり、「モノ」じゃないからね。

ああ~、とても長く長くなってしまった。
バンドマンのブログなのに、コレじゃ、社会派すぎるねぇ。それも左よりのねぇ。

ま、でも、続けるよ。
ようするにそういう状況では、ベテランが新人に対して仕事のノウハウを教え~って環境も崩れていくと思うよ。だって、仕事のノウハウを後輩に教えれば、そいつは明日のライバルになるんだから。自分の立場が脅かされるかも知れないんだよ?
そんな中で助け合っていけると思う?

行き過ぎた成果主義(=ノルマ制)は、なくして行かなければ大変な事になるかも知れないんだ。僕等の時間がもっともっと仕事のために費やされ、それがイヤなら低賃金で働かなければならなくなるんだ。

将来的には日本も欧州のいくつかの国のように、ワークシェアをしなければいけないと思うけど、日本の場合、その前にやるべきことがたくさんあるよ。

前にも書いたかも知れないけど、僕がこのようなことに関心を示すのは仕事の役目上のこともあるけど、最終的には、音楽を続けたいから。

音楽をしつつも、生活できる世の中になって欲しいから。
そのためには、もっと世の中を知らなければいけないし、自分にできることはしていかなければいけない。・・・・そう思うから。

む~ん、なんて固い話なんだ。

ま、そういうこと。
ここまで読んでくれて、ありがとう。
by cst6480088 | 2006-04-18 01:21 | その他