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smock vo/g のつれづれブログ 


by cst6480088
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「江國香織 #2」no,597

「江國香織 #2」no,597_c0019268_2342429.jpg神様のボート 新潮社 (2002/06)
まずは、例によってamazonから・・・

内容(「BOOK」データベースより)
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”―恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。


透明な読後感。
なんだか空のイメージ。



この人は、言い方は悪いかもしれないが、本当に「女性作家」なんだなと思う。
このような物語は、きっと男性には書けないのではないだろうか?
でも、正直に言えば、素敵な本である。
この小説の母親のような感情は、きっと男性にはなかなか理解できないものだろう。

「頭」で理解することと、「心」で理解することは、きっと違う。
小説の中身とは関係ないが、そういうことを考えさせられた。

何も与えない文章は時間の無駄でしかないが、このような物語は、具体的な、はっきりとした形ではないが、心の中に何らかの足跡を残していく。
このような物語を読むことは、男性の社会人としては、仕事の面では、あんまり役に立たないかもしれない。そのような意味では、ビジネス書を読むほうがマシなのだろうが、人間としては、このような本は読むべきではないかと、思うのだ。

この本は男性に読んでほしいものだ。
「共感」できる男性というのは、あまりいないかもしれないが、相互理解の一つの方法、いろんな女性の愛情の形と言うものを、「知る」意味において、読んでも損はしないと思うし、読むことをすすめたい。

へヴィな現実を闘っている男性には異次元かもしれないが、僕には心地よい異次元でありやがりました。
by cst6480088 | 2007-08-02 23:15 | 本・映画